『ドラえもん のび太の海底鬼岩城』がめちゃくちゃ好きって話
ドラえもんの映画シリーズ第4作目なのですが、個人的にめちゃくちゃ好き。好きな人多いと思う。
私の好きなドラえもん映画TOP5を決めるとしたら、絶対ランクインすると思う名作です。
昨日ふと思い立ってツタヤでレンタルして視聴したら、思いの外熱いものが込み上げてきたので好きなところ書きます。
以下、ネタバレ有ります。
私がドラえもんの世界の好きな要素の一つに、「心を宿した無機物が出てくる」ことが挙げられます。
『ロボット王国』『鉄人兵団』『ねじまき都市』とかにも該当する部分でもあるけど、そもそもドラえもんっていうロボットに心があるのが好き。
『海底鬼岩城』ではドラえもんが未来から持ってきた「水中バギー」にこの要素があります。
バギーはめちゃくちゃポンコツです。
ドラえもんの世界では、ポンコツな機械は性格に難があるのがデフォなのですが、このバギーも同様です。
文句垂れるし、命令無視するし、中々に薄情です。おまけにめちゃくちゃ臆病者。
なので皆んなにポンコツ呼ばわりされるんですけど、しずかちゃんだけは「バギーちゃん」って呼んで優しく接するんですよ。
そんなことされたら好きになるのは必至なので、バギーはしずかちゃんに心を開きます。
「あなたのためなら壊れたてもいいです」って、しずかちゃんに言うんです。
大袈裟だなぁって思うかもですけど、それが機械のバギーから人間のしずかちゃんに言える最大の愛の言葉なんですよ。
この映画のクライマックスといえば、鬼岩城にあるポセイドンという自動報復装置にバギーが特攻するシーン。
バギーのしずかちゃんへの健気で一途な気持ち、ポセイドンに立ち向かう勇敢さ、自己犠牲。
こんなん私の全方位の涙腺に刺さります。
バギーの特攻の根底には、自身が機械であるということへの自覚があると思うんです。
「自分が機械であることが悲しい」とか、「泣いてるの?」って聞かれて「オイル漏れです」って応える台詞がありますよね。
バギーは人間じゃなくて機械だから、機械であったからこそ、炎上して特攻してポセイドンと相討ちになれた。しずかちゃんを守れたんですよ。
ポンコツバギーがそんなこと考えてたとは思えないですけど、人間だったらまずできません。
バギーにも心があって、涙の意味が分かって、しずかちゃんを泣かせる奴に怒って立ち向かえるんですよ。
だってさっきまで「こんな怖いところ嫌だ」って四次元ポケットに隠れてた子が、好きな子のために命はって立ち向かうんですよ!?
機械とか人間とかそういうの関係なく、単純にめちゃくちゃカッコイイじゃないですか。
「しずかさんのためなら壊れてもいいです」
この台詞を体現してしまうのが、カッコよくもあり切なくもあります。
バギーは口先だけじゃないんですよね。
しずかちゃんが「バギーちゃん」って形見のネジを持って「絶対に忘れない」って言うのがまた切ないんですよね。
その場にバギーがいないのが、やっぱりやりきれないんですよ。心臓ギュッてなる。
バギーは世界を救ったわけだけど、バギーが救いたかったのは愛するしずかちゃんただ一人。
世界は愛のおまけで救われたんですね。
このバギーの話がめちゃくちゃに好きです。
バギーの特攻シーンは有名なので知ってる方多いのかな〜と思いますが……
結構設定も込み入ってて面白いです。
『海底鬼岩城』がリメイクされないのはこの設定故だと思うのですが、私は好きです。
もし地球で人類が消滅したとしても、エネルギーを自動製造・供給できる装置とAIが残ったのなら、
鬼岩城のポセイドンよりも凄いことになりそうじゃないですか?